【ワクチン】海外に行くのに予防接種が必要なのはどんなとき?
私たちがヨーロッパやアメリカに行くとき、予防接種をすることなんてありませんよね!でも、海外の特定の国に行くとき、黄熱病や肝炎、狂犬病などの予防接種が義務づけられているって知っていましたか?今回は、どうして予防接種が必要なのか?ワクチンってなに?さらに、どこへ行くときに必要なの?といった疑問にお答えします!
『海外旅行に行くときの予防接種について知りたい人』
『珍しい地域に行く予定がある人』におすすめ!
どうして予防接種が必要なの?
多くの人にとって注射は”嫌なもの”ですよね!わざわざ必要のない注射を打ちたいような”注射大好き♡”という人の話は聞いたことがありません^^;(もし、いたらゴメンナサイ!)できれば打ちたくないけれど、必要ならば我慢して打つ人がほとんどでしょう◎
ですから、海外旅行へ行く際に、どうして予防接種をしなければならないのか?そして、それがどれだけ大事なことなのかを知って、予防接種に挑みましょう!
理由1:予防接種証明書が渡航に必要なとき
留学をする場合、健康診断書と共に”予防接種証明書”を提出するように、滞在国または留学先の学校から要求されることがあります!この場合には、指定の施設で予防接種を受けると証明書を発行してもらえます。
また、”黄熱”という病気の予防接種を入国する人に求めている国があります!黄熱というのは、感染症のひとつで、蚊によってウィルスが媒介される病気です。免疫のない人の致死率は60%以上になるという報告があり、感染すると命の危険があります◎
黄熱の予防接種を必要とするのは、主に南米やアフリカの熱帯地域にある国々です。気をつけたいのは、これらの国から別の国に入国するときにも要求される場合があること。また、乗り継ぎのための滞在だけでも必要なことがあるので、注意が必要です。
理由2:感染の予防
日本では既に根絶されてる病気や気候の関係などで発生しないような病気でも、海外では流行していたり、発症する人が大勢いる感染症があります!例えば、狂犬病は日本国内では、犬の予防接種が義務化されているなどの理由から1957年以降、発生はしていません。しかし、海外で感染し、帰国後に発症して亡くなった方が3名ほどいます。
”たったの3名?”と思う人もいるかもしれませんが、狂犬病は、発症すると100%に近い確率で死んでしまう恐ろしい病気です!しかも、犬だけでなく、そのほかの野生動物からも感染するため、世界的にみれば、発生が確認されていない国の方が稀だといわれています◎このような病気から自分自身の身を守るために、発生が多い地域に渡航する際や感染の可能性が高くなるような行動予定がある場合には、予防接種が必要なのです。
二次感染の予防
予防接種が必要な病気の中には、本人は必ずしも発症しないけれども、人にうつってしまう病気もあります!このような病気を海外から持ち帰り、国内で流行させてしまわないためにも予防接種は大切なのです◎
ワクチンってなに?
”ワクチン”という言葉を聞いたことがありますか?予防接種といったり、ワクチンといったりするので、いまいち”言葉の意味がわからない”と思っている人もいるかもしれませんね!ワクチンというのは、予防接種で使用される薬のことです◎
人間の体は、あるウィルスに感染して治ると、その病気に免疫がついてその後は感染しないようになる場合があります!身近な病気では”水ぼうそう”がそうです(症状が軽かった場合、免疫ができないこともあります)。
この仕組みを利用して、ウィルスなど病気の原因になる病原体を無毒化したり、薄めたりしたもの(=ワクチン)を接種して、人工的に免疫を作るのが予防接種です。これによって、病気の発症を防いだり、発症しても軽い症状で済むようになります◎
予防接種を受けていないと入国できない国はどこ?
海外へ行く場合に行う予防接種の多くは、”推奨”であったり、滞在理由や期間、年齢などで条件が変わったりするので、”必ず〇〇の予防接種をしなければならない”と単純にはいえません。ただし、先述の黄熱病に限っては、予防接種証明書がないと入国できない国がはっきりしています!
入国に予防接種証明書(イエローカード)が必要な国には、入国するすべての人に義務付けている国と、黄熱病の感染リスクが高い国から渡航してきた人(旅行で滞在していた人が乗り継ぎのために入国する場合を含む)に義務付けている国があります。
また、入国するすべての人に義務付けている国は、アメリカ・アフリカ地域の国々です。特に、アメリカ地域の国の中には、日本人旅行者に人気の国で、あまり感染症のリスクが高いイメージがない国も含まれているので注意しましょう!
黄熱病の予防接種は、接種した10日後から有効になります。余裕を持って接種してください。ちなみに、黄熱の予防接種証明書は1度取得すると一生有効なので、繰り返し受ける必要はありません。
アメリカ地域の国の例
場所『ボリビア/ウユニ塩湖』
- アルゼンチン
- ブラジル
- ペルー
- ボリビア
- コロンビア
アフリカ地域の国の例
場所『ケニア/キリマンジャロ』
- ケニア
- エチオピア
- ギニア
- ナイジェリア
- ガーナ
感染リスクが高い国からの渡航者に義務付けている国の例
場所『アラブ首長国連邦/ドバイ』
- シンガポール
1歳以上の渡航者。乗り継ぎのために該当国の空港に12時間以上滞在した渡航者も含む。
- ジャマイカ
1歳以上の渡航者。乗り継ぎのために該当国の空港に12時間以上滞在した渡航者も含む。
- アラブ首長国連邦
生後9か月以上の渡航者。乗り継ぎのために該当国の空港に12時間以上滞在した渡航者も含む。 - インドネシア
生後9か月以上の渡航者。 - オーストラリア
1歳以上の渡航者。乗り継ぎのために該当国の空港に12時間以上滞在した渡航者も含む。
黄熱病以外に推奨されている予防接種
黄熱病以外にも、渡航する国や旅行の内容によって予防接種を受けることが推奨されているものがあります!また、これらの予防接種には、期間を空けて複数回打つ必要があるものもあるので、旅行の計画を立てるときには、早めに確認しておきましょう◎
A型肝炎
A型肝炎は、発症すると強い倦怠感を感じる病気です。重症の場合は、1ヶ月以上入院する人もいます。感染経路は、非加熱の飲食物です。衛生面で不安のある国などでは特に注意しましょう。
- 推奨される人:60歳以下で途上国に1ヶ月以上滞在する人
- 発生地域:アフリカ・アジア・中南米など広域
- 接種回数:2~4週間隔で2回
狂犬病
狂犬病は、犬以外にもコウモリやキツネなどの動物に噛まれたり、引っ掻かれたりすることで感染する病気です。発症するとほぼ100%死亡する致死率の高い病気でもあります。
- 推奨される人:近くに医療機関がなく、コウモリやキツネ、犬が多い地域に行く人
- 発生地域:オーストラリア・ニュージーランドを除く、ほとんどの国と地域
- 接種回数:3回(ただし、使用するワクチンによって異なる)
B型肝炎
B型肝炎は感染している人の体液や血液に接触することで感染する病気です。約2%の人が劇症化することで亡くなるといわれていますが、3か月ほどで多くの人の肝機能は正常化します。
- 推奨される人:体液や血液に接触する可能性がある人
- 発生地域:全域
- 接種回数:4週間隔で2回、その後、20~24週後に1回
髄膜炎菌感染症
髄膜炎はさまざまなウィルスや細菌によって起きる病気で、いくつかの種類があります。渡航する地域で流行している型がなにか調べてから接種してください。また、アメリカなど国民に対し、定期接種を行っている国では、留学生などに予防接種証明の提出を求める場合があります。
- 推奨される人:定期接種実施国へ留学する人・流行地域に渡航する人
- 発生地域:全域(地域によって型が異なる)
- 接種回数:1回(ただし、使用するワクチンによって異なる)
推奨されているもので、既に受けている人が多いもの
下記の予防接種は、渡航者に推奨されていますが、子供のころに定期接種などで、既に接種している人が多いワクチンです!親御さんに確認するなどして、自分が接種済みかどうか確認しましょう。また、インフルエンザについては、必要に応じて接種するよう、推奨されています!
さらに、既に予防接種を受けたり、発症したりしていても、免疫ができていない場合もあります。気になる人は、そのことについても、検疫所やトラベルクリニックなどで相談できますので、特に流行地や感染のリスクが高い地域に行く場合には、一度相談してみてください。
- 破傷風
- 日本脳炎
- ポリオ
- ジフテリア
- 麻しん
- 風しん
- 水ぼうそう
どこで接種できるの?
渡航のための予防接種は、”検疫所”という場所で受けることができます!検疫所では、接種するべきワクチンの種類についても電話で相談が可能です◎しかし、検疫所の数は多くありません。近くにない場合には、トラベルクリニックや渡航外来のある病院で受けましょう。
海外旅行へ行く際の予防接種の大切さや種類について知っていただけたでしょうか?感染症の予防は、あなた自身を守るだけでなく、気づかずに帰国して家族にうつしてしまったり、見知らぬ誰かにうつして流行させてしまうという最悪の事態を避けるためでもあります。
ですから、”注射が怖い”、”面倒くさい”、などと思わずに、流行地やリスクの高い地域に行くときには、予防接種をきちんと受けて、安心・安全にな旅行にしてくださいね♡
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