【LGBT】日本ではどうなの?海外で同性婚が認められている国・地域
海外旅行に行くと、同性カップルの方々が仲睦まじく手をつないで歩いていたり、ベンチで愛を語り合ったりしている光景を目にすることがありますよね^^海外旅行に行くと、同性カップルの方々が仲睦まじく手をつないで歩いていたり、ベンチで愛を語り合ったりしている光景を目にすることがありますよね^^LGBTという言葉も今ではすっかり浸透したのではないでしょうか。身近なものとなった今、改めてLGBTの方々の法的権利獲得の歴史をふり返りながら、世界で同性婚が認められた国などご紹介します。
『LGBTについて理解を深めたい人』
『同性婚やパートナーシップ制度がある国・地域を知りたい人』におすすめ!
LGBTとは?
近年テレビなどでよく耳にするLGBTという言葉。LGBTとは、
- Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)
- Gay(ゲイ、男性同性愛者)
- Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)
- Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)
の4つの頭文字からとったセクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の一部の人々を表す総称です。4つめのトランスジェンダーという言葉は耳慣れない方もいるかもしれません。普遍的な定義はないものの、一般的には生まれた時の身体の性と心の性が違う人を表しています。特定の性的指向(女性が好きか男性が好きか等)はその定義に含まれていないことが、前の3つとは異なる点です。
誰が呼ぶようになったの?
もともとヨーロッパやアメリカなど海外で使われていたLGBTという言葉。アメリカで差別の撤廃や法的権利を獲得するために別々に活動していたレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人々が、1990年代に連帯して、自分たちをLGBTと呼ぶようになったと言われています。
日本では、1990年代から「プライド」と呼ばれるパレードや映画祭といったような、LGBTへの理解を深める活動が各地で行われるようになり、LGBTという言葉が認知され広まっていきました。自分たちをポジティブに表現するために生まれたこの言葉は、今では世界中で使われています!
「プライド」パレードとは?
アメリカで始まった「プライド」
「プライド」と呼ばれるパレードはいつから始まったのでしょうか。1969年6月28日未明、ニューヨーク市内にあったゲイバーに警察が弾圧のために踏み込み捜査を行い、これに反発した数千人規模の暴動が発生しました。
この事件がきっかけとなり、世界中でLGBTの権利を求める声が高まりました。翌年1970年に、暴動発生1年を記念するデモがアメリカの各地で行われました。この時のデモが、「プライド」の始まりと言われています。
アメリカ以外では?
アメリカ以外では、オーストラリア(シドニー・メルボルン)、カナダ(トロント)、ドイツ(ベルリン)、フランス(パリ)、ブラジル(サンパウロ)、タイ(バンコク)のパレードが有名です。日本では、1994年8月28日に最初のパレードが行われました。これは、東アジアではフィリピン(同年6月)に続いて2番目に早い開催でした。札幌では「レインボーマーチ」、関西では「レインボーパレード」という名称で呼ばれ、東京では2007年に「東京レズビアン&ゲイパレード」から「東京プライドパレード」に名称が変更され、2012年からは「東京レインボープライド」と呼ばれています。
LGBTの活動の歴史
パレードを始めとしたLGBTの活動は、どのように実を結んだのでしょうか。
- 1970年代:世界各地でパレード「プライド」が開催。 差別の撤廃や法的権利の獲得を求めた。
- 2001年:世界で初めてオランダで同性婚を認める法律が施行された。
- 2009年:世界最大級のパレード「サンパウロ・ゲイ・プライドパレード」の参加者が320万人を超える。
- 2010年:アイスランドの議会が、同性婚を認める法案を全会一致。首相自身がレズビアンであることを公言した。
- 2011年:国連人権理事会が、個々の性的指向や性自認に基づいた暴力行為や差別に対して重大な懸念を示す決議を採択した。
- 2014年:インドでトランスジェンダーを法的に認めるという最高裁の判決が出された。
このように、少しずつLGBTを認め保護する法律が制定されてきました。他にも同性婚が認められた国について詳しくみていきましょう。
同性婚が認められている国
同性婚が認められた国と地域を、法律が施行された日の順でまとめました。
- 2001年:オランダ
- 2003年:ベルギー
- 2005年:スペイン、カナダ
- 2006年:南アフリカ
- 2009年:ノルウェー、スウェーデン
- 2010年:ポルトガル、アイスランド、アルゼンチン
- 2012年:デンマーク
- 2013年:ブラジル、フランス、ウルグアイ、ニュージーランド
- 2014年:イギリス(北アイルランドを除く)
- 2015年:ルクセンブルク、アメリカ、アイルランド
- 2016年:コロンビア
- 2017年:フィンランド、マルタ、ドイツ、オーストラリア
- 2019年:オーストリア、台湾、エクアドル
- コスタリカは2020年に施行される予定です。
この他にも、メキシコでは一部の州で同性婚が実行されて、それらの州で成立した同性婚は全ての州で認められています。今年アジアでは初めてとなる台湾での同性婚が認められましたが、ベトナムでも同性婚を禁止する法律が廃止され、事実上同性婚は可能となっています。
日本ではどうなの?
海外には同性婚が認められている国もありますが、日本ではまだ同性婚は法律で認められていません。また、異性カップルでは認められている事実婚も同性間では認められていないため、配偶者としての社会制度を受けられませんでした。
生活しやすい環境を整えるために行政や企業などの取り組みが進められ、同性カップルに様々な権利などを認める同性パートナーシップ制度等が認められた自治体もあります。それらのほぼ全ての自治体で条件として20歳以上で配偶者がいないことと、その市区町村に住んでいることが挙げられています。2019年現在、24の自治体でパートナーシップ制度が設けられています。
- 東京都渋谷区:2015年4月1日に制定。公正証書が必要。
- 東京都世田谷区:2015年11月1日に「同性パートナーシップ要綱」ができる。条例とは違い若干効力が弱く、公正証書なしで申請できる。
- 三重県伊賀市:2016年4月1日に要綱が制定。三重県伊賀市の共済会が、パートナーの死亡時に弔意金を支給することが決まったと発表。
- 兵庫県宝塚市:2016年6月1日に要綱が制定。市立病院にパートナーが入院した場合に連帯保証人になることができ、病状の説明を聞くことや、手術の承諾書にサインすることができる。
- 沖縄県那覇市:2016年7月8日に要綱が制定。LGBTの団体と相談しながら軌道修正し、結婚祝い金などを検討していると発表。
- 北海道札幌市:2017年6月1日に宣誓制度を開始。
- 福岡県福岡市:2018年4月2日に宣誓制度を開始。
- 大阪府大阪市:2018年7月9日に宣誓証明制度を開始。
- 東京都中野区:2018年8月20日に宣誓制度を開始。「渋谷形式」と「世田谷形式」の中間という形式で、公正証書の有無を選べる。
- 群馬県大泉町:2019年1月1日にパートナーシップ制度が開始。
- 千葉県千葉市:2019年1月29日に宣誓制度を開始。
- 東京都豊島区:2019年4月1日にパートナーシップ制度が開始。
- 東京都江戸川区:2019年4月1日に要綱が制定。
- 東京都府中市:2019年4月1日に宣誓制度を開始。
- 神奈川県横須賀市:2019年4月1日に宣誓証明制度を開始。市営住宅の入居申し込みや災害見舞金の支給権利が得られる。
- 神奈川県小田原市:2019年4月1日に登録制度を開始。
- 大阪府堺市:2019年4月1日に宣誓制度を開始。
- 大阪府枚方市:2019年4月1日に宣誓制度を開始。
- 岡山県総社市:2019年4月1日に宣誓制度を開始。
- 熊本県熊本市:2019年4月1日に宣誓制度を開始。
- 栃木県鹿沼市:2019年6月3日に宣誓制度を開始。市営住宅の入居申し込みや市営墓地の永代使用許可申請・承継などの権利が得られる。
- 宮崎県宮崎市:2019年6月10日に宣誓制度を開始。
- 茨城県:2019年7月1日に要綱が制定。都道府県での導入は初。県営住宅の入居申し込みや県立中央病院での手術同意の権利が得られる。
- 福岡県北九州市:2019年7月1日に宣誓制度を開始。
※個々の自治体によって得られる権利は異なりますが、生命保険の受取りや住宅ローンや福利厚生、各携帯電話会社の家族割などのサービスを受けられる権利が中心となっています。
今年に入って一気に15の自治体で認められました!これは、国内外でのLGBTの活動が反映された結果だといえるでしょう◎また、東京都国立市では2018年4月に「アウティング」と呼ばれる、他人の性的指向や性自認を第三者が勝手に公表することを禁じる全国初の条例が施行されました。
教育の現場では、文部科学省が2015年に、各都道府県の教育委員会にLGBT生徒へのきめ細やかな対応を求める通知を出しました。2016年には教職員に対して、LGBT生徒への対応をまとめた手引きを発行しました。2017年に改訂されたいじめ防止基本方針には、LGBT生徒への配慮が盛り込まれています。企業においても外資系企業を中心に一部の企業で、性的指向や性自認による差別を禁じる社内規定や社内支援グループの整備が進められています◎
海外で登録パートナーシップを持つ国・地域
海外で登録パートナーシップなどを持つ国や地域は、以下の通りです。
アンドラ、イスラエル、イタリア、エクアドル、オーストリア、キプロス、ギリシャ、英国、クロアチア、コロンビア、スイス、スロベニア、チェコ、チリ、ハンガリー、フランス、ベネズエラ、メキシコ(一部の州)、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、ニュージーランド、オランダ、ベルギー
これらの登録パートナーシップなどを持つ国や地域の中には、同性婚も認めている国もあります。この場合は、登録パートナーシップなどの制度と同性婚のいずれも認められていることになります。
LGBTの法的権利の獲得についてふり返ることができたでしょうか^^日本は海外の理解ある地域に比べて、まだ遅れているのが現状です。ただ、確実に一歩ずつ理解が深まり、権利も認められてきているのではないでしょうか◎海外旅行に行く際にも、知識と理解をもって訪れればまた違う世界が見えるかもしれませんね!
※当サイトに記載されている情報は、時事要因などにより正確でない場合がございます。できる限り正確な情報を更新するよう努めさせていただきますが、詳細な部分に関しましてはご自身で事前にお調べ頂くよう宜しくお願いいたします。
IMATABI公式LINE@
おすすめの記事や、宿泊券が当たるキャンペーン情報などをお届けします! QRコードが読み取れない場合はID「@imatabi」で検索してください。