【全国】季節を彩る風物詩!美しい秋の七草を楽しめる名所14選
1年の無病息災を祈って食べる食用の春の七草とは異なり、見た目や香りの楽しむほか、漢方薬の原料などに活用する実用的な草花としても親しまれてきた秋の七草。今回は、秋の七草を楽しめる名所を、全国から14ヶ所厳選してご紹介します。古くからその美しさ歌われてきた秋の風物詩、ぜひ探しに出かけてみてください♪
『秋の七草を観賞できる名所を探している人』
『日本に古くからある秋の美しさを堪能したい人』におすすめ!
秋の七草とは?
photo@「秋の七草(藤袴と蝶)」
秋の七草は、万葉集におさめられている山上憶良が詠んだ、「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」と「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」という2首の和歌が由来となっている植物です。
歌の意味は、「秋の野に咲いている草花を指折り数えると7種類ある。それは萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花である」と、秋の野山に咲いている7種類の美しい草花を挙げるもの。(※朝貌は現在の「桔梗(ききょう)」のこと)
それぞれの植物は俳句や短歌でも歌われており、昔の日本人からその美しさを深く愛されてきたことがうかがえますね。
それではここからは、秋の七草それぞれの特徴と名所を紹介していきます。
【秋の七草】萩の名所3選
photo@「萩」
万葉集で最も多く歌われている「萩」は、お彼岸に供える和菓子・おはぎの名前の由来にもなった、マメ科の落葉低木の植物です。7月~10月にかけての開花時期には、細枝から赤みの強い紫色や白色の蝶形の小さな花を咲かせます。
1.高台寺/京都府東山区
photo@「高台寺」
「高台寺」は、豊臣秀吉の正室であるねね(北政所)が、秀吉の菩提を弔うために建立したといわれる臨済宗建仁寺派の寺院です。
四季折々の美しい草花を楽しめる花の名所としても有名で、秋にはライトアップされた紅葉のほか、真っ白な花をつけるシロバナハギを観賞することができます。
2.向島百花園/東京都墨田区
photo by:Masashi Yanagiya『向島百花園』
「向島百花園」は、仙台出身の骨董商・佐原鞠塢が入手した、旧多賀氏所有の屋敷跡に造園された庭園です。都心にいながら四季折々の美しい草花を観賞できると大人気となっており、国指定名勝及び史跡にも指定されています。
こちらでは萩のほかにも、葛やススキといった秋の七草を楽しめますが、なかでも名物になっているのが「萩のトンネル」!赤紫の萩の花と濃い緑の葉に覆われたトンネルをくぐれば、まるで森の中にいるようなリラックスした気分を味わえますよ♪
9月中旬から10月上旬には、茶会や新内流しなどの公演を楽しめる「萩まつり」も開催されるので、ぜひ参加してみてください。
3.万博記念公園/大阪府吹田市
photo by:TAKA@P.P.R.S『万博記念公園』
「万博記念公園」は、1970年に開催された「日本万国博覧会」の跡地に造られた公園です。
広大な園内には、26ヘクタールにもおよぶ日本庭園やアスレチック広場、スポーツ施設や学習館などさまざまなレジャースポットが整備されており、子どもも大人も1日中遊べる憩いの場として地元民に親しまれています。
こちらでは秋になると、日本庭園や自然観察学習館周辺で、赤紫や白、染め分けの萩など、さまざまな色の萩を観賞することができます。大株の萩が連なって咲く光景は圧巻ですよ!
【秋の七草】尾花(すすき)の名所3選
photo@「すすき」
姿形が動物の尾に似ていることから、尾花という名前がつけられた「すすき」。白く垂れた部分は実は花で、実ってから日が経つと綿毛に変わります。
4.仙石原 すすき草原/神奈川県箱根町
photo@「仙石原 すすき草原」
すすきの名所として特に有名なのが、箱根・仙石原にある台ケ岳の山裾に広がる「すすき草原」です。
9月下旬~11月上旬になると、なだらかな草原一帯に美しい輝きを放つ、すすきの大パノラマが広がります。その美しい光景から、「かながわの景勝50選」「かながわの花の名所100選」にも選ばれているそうですよ。
こちらには遊歩道も整備されており、すすきの中をゆっくり散策することもできます。秋の爽やかな風と、黄金色に輝くすすきの中で、ハイキングを楽しんでみてはいかがですか?
5.葛城高原/奈良県御所市
photo@「葛城高原」
「葛城高原」は、標高960mの葛城山頂付近に広がる高原です。ロープウェイで山上駅まで上がれば、眼下に広がる大和盆地や大和三山の眺望、大阪平野の360度の大パノラマを楽しむことができます。
元々は、山上を真っ赤に染め上げる5月のつつじの群生が有名でしたが、近年は9月中旬~10月下旬の秋に見ることができる、すすきの大草原が人気となっています。
葛城山からの大眺望と青空、黄金色に輝くすすきのコラボ絶景は圧巻の一言!絶景を思う存分楽しんだ後は、山上にある葛城高原ロッジで、かも鍋などのグルメを堪能しちゃいましょう♪
6.砥峰高原/兵庫県神河町
photo by:Satoshi KAYA『砥峰高原』
「砥峰高原」は、峰山高原の北側に位置する標高800~900mの高原です。映画やドラマのロケ地にもなっており、休日には数多くのツーリング客やハイキング客が訪れる、人気スポットとなっています。
またこちらは、約90ヘクタールにもおよぶ広大なすすきの草原が広がる、西日本有数のすすきの自生地としても有名。9月下旬~11月上旬ごろになると、秋風に波打つ、黄金色のすすきの絶景を楽しむことができますよ♪
例年9月には「観月会」、10月には「すすき祭り」が開催されているので、そちらへの参加もおすすめです(^^)
【秋の七草】葛の名所2選
photo@「葛」
赤や紫の小さな花を筒状に咲かせる、マメ科のつる性植物「葛」。観賞用としてだけでなく、葛湯や葛根湯、葛餅など、古くから食用にも薬用にも利用されており、私たちの生活に欠かせない植物のひとつとなっています。
7.皇居東御苑/東京都千代田区
photo by:Toshihiro Gamo『皇居東御苑』
「皇居東御苑」は、天皇陛下が生活されている皇居の東側に付属している、旧江戸城の本丸・二の丸・三の丸を整備・一般公開した庭園です。
広さ約21ヘクタールにおよぶ園内では、江戸城の史跡や、皇室に受け継がれてきた美術品・工芸品を見ることができるほか、四季折々の草花の絶景、野鳥・昆虫観察なんかも楽しめます。
7月~9月には赤紫色の葛の花を観賞できます。二の丸休憩所には、そのほかの秋の七草も植えられているそうなので、7種勢揃いする時期を見計らって訪れるの◎!
8.葛西臨海公園/東京都江戸川区
photo@「葛西臨海公園」
東京湾に面した約80.6ヘクタールの敷地に、葛西臨海水族園や大観覧車、飲食施設などを有する大型の都市公園「葛西臨海公園」。
水族園ばかりが有名なためそこまで知られていないのですが、実は園内には広大な森の中に野鳥観察のための施設が設けられた「鳥類園」があり、さまざまな野鳥の観察や四季折々の草花の観賞を楽しめるんですよ!
特に8月~10月にかけては、葛の花が大繁殖!展望台からだと、周囲を覆うほどの葉の陰に隠れて花が見えにくいので、できるだけ近くに寄って、甘い香りと一緒に赤紫色の美しい花を観賞してみてくださいね♡
【秋の七草】撫子の名所1選
photo@「撫子」
「撫子」は、清楚な女性を意味する「大和撫子」の由来になった植物で、7~10月ごろになると薄紅色の可憐な花を咲かせます。撫子にはさまざまな種類がありますが、秋の七草に数えられているのは、日本固有種であるカワラナデシコになります。
9.箱根湿生花園/神奈川県箱根町
photo by:Hiroki ONO『箱根湿生花園』
「箱根湿生花園」は、湿原や川、湖沼といった湿地帯の植物を中心に、約1700種の植物を集めた植物園です。園内では、日本各地に点在する湿地植物や高山植物を観賞できるほか、多種多様な植木の購入も可能です。
こちらでは複数の秋の七草が咲きますが、おすすめは8月ごろに開花する撫子。日本国有種のカワラナデシコを観賞することができますよ。
【秋の七草】女郎花の名所2選
photo@「女郎花」
8月~10月ごろに、黄色の小さい花をたくさん咲かせる「女郎花」。ユニークな名前の由来は、その花の美しさが美女を圧倒するからだとか!古くから薬用にも利用されており、根は漢方薬にされています。
10.来迎寺/神奈川県鎌倉市
photo by:Ik T『来迎寺』
「来迎寺」は、鎌倉大地震で亡くなった村民供養のために、一向上人が建立したといわれる時宗の寺院です。鎌倉三十三観音霊場巡りの五番札所にもなっており、毎年多くの巡礼者や参拝者が訪れています。
こちらは鎌倉で最も美しい仏像が見られるお寺として有名なのですが、実はカメラマンの間では、女郎花が美しいお寺として人気を集めているのだとか!
秋になると、参道の石段や境内に女郎花が鮮やかな黄色を咲かせるので、ぜひゆっくり散策してみてください♪
11.国営武蔵丘陵森林公園/埼玉県滑川町
photo by:Atsushi Kase『国営武蔵丘陵森林公園』
「国営武蔵丘陵森林公園」は、明治百年記念事業の一環として整備された、東京ドーム約65倍、304ヘクタールの広大な面積を誇る、全国で初めて誕生した国営公園です。
園内には、日本一大きなエアートランポリンを有するアスレチックエリアのほか、貴重な動植物を生育・展示した植物園など見どころが満載ですが、特におすすめなのが秋の女郎花!
南口エリアにある野草コースには、200株もの女郎花が咲いており、8月下旬~9月半ばまで、美しく華やかな景観を楽しませてくれます♪
【秋の七草】藤袴の名所2選
photo@「藤袴」
袴の形に似た筒状の淡紫色の花を咲かせることからその名がついた、キク科の多年草「藤袴」。その花の美しさはもちろん、アサギマダラなどたくさんの蝶が蜜を吸いに来ることから古くから親しまれてきましたが、現在は野生の藤袴はほとんど見られず、絶命危惧種に指定されています。
12.革堂 行願寺/京都府中京区
photo by:masato_photo『行願寺』
「革堂」の通称で親しまれている「行願寺」は、1000年の歴史を持つ天台宗の寺院です。西国三十三所第19番札所と洛陽三十三所観音霊場第4番札所になっているほか、西国三十三所で唯一の尼寺でもあります。
こちらでは9月になると、本堂正面から寿老人神堂に至るまで藤袴の鉢植えが並べられ、境内が藤袴に埋め尽くされます。
10月には「藤袴祭」も開催され、藤袴などを使った生け花体験や、御茶体験なんかも楽しめますよ(^^)
13.大原野神社/京都府西京区
photo by:oonnuuoo『大原野神社』
「大原野神社」は、春日大社、京都・吉田神社とともに藤原氏の氏神三社に数えられている神社です。長岡京遷都の際に奈良の春日大社から祭神を分祀したことから、春日大社第一の御分社、「京春日」とも呼ばれています。
こちらは、原種の藤袴栽培が最初に行われた場所としても有名で、9月になると社務所前や本殿前に鉢植えの藤袴が並べられ、アサギマダラなどの蝶が飛び交う、美しい光景を楽しむことができます。
【秋の七草】桔梗の名所1選
photo@「桔梗」
風船型のつぼみと、星型の紫色の花を咲かせる「桔梗」。明智光秀の家紋になっていることでも知られており、根は古くから痰や咳の薬として利用されています。
実は咲き始めるのは梅雨時で、長いもので9月~10月まで楽しめることから秋の七草のひとつに数えられています。
14.円成寺(圓成寺)/奈良県奈良市
photo by:Tetsuhiro Terada『円成寺(圓成寺)』
「円成寺(圓成寺)」は、柳生街道沿いにある真言宗御室派の古寺です。境内には、国宝に指定されている鎌倉時代の建築物が建っているほか、同じく国宝に指定されている運慶の初期の作品・大日如来像など、数々の貴重な遺構や寺宝を有しています。
7月中旬~8月下旬になると、本堂前の桔梗が見頃を迎え、多宝塔と桔梗の美しい共演が、参拝者の目を楽しませてくれますよ。
日本ならではの奥ゆかしさと自然の美しさを楽しめる、秋の七草。日本全国には、美しい秋の七草の名所がまだまだたくさんあるので、ぜひいろいろ巡ってみて、お気に入りのスポットを見つけてみてくださいね♪
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